2010年12月08日
ハッピー・ハヌカ!
この時期はクリスマスの話題満載なので、いまさら、て感じでしょだからちょっと珍しい話題で・・・2007年12月号の清武町広報誌の「Lucyとティータイム」に掲載された記事をご紹介しますね。
「ハッピー・ハヌカ!」
日本ではまだ聞きなれませんよね。キリスト教徒がクリスマスを祝う時期にユダヤ教徒はハヌカを祝います。私も「ハヌカ」という名前だけは聞いたことがありましたが、一昨年ロス郊外でホームステイするまで何も知りませんでした。
期待していた生のクリスマスツリーもプレゼントの山もサンタクロースも飾っていないし、クリスマスキャロルのBGMも聞こえません。ホストマザーが「私はユダヤ教だからクリスマスは祝わないの。26日の夜シナゴーグに礼拝に行きましょうね」と、にこやかに言うのです。
シナゴーグ・25日じゃなく26日に礼拝?
”Merry Christmas!"の抱擁もキスもプレゼント交換の歓声も何もない静かな拍子抜けの2,3日が過ぎました。26日になり、近所のユダヤ人夫婦宅で豪勢なディナーを取り、共に郊外のユダヤ教会堂(シナゴーグ)に向かいました。
質素な祭壇とベンチが整然としつらえた中、信者達は静かに経典を読み「ラビ」と呼ばれる司祭は「ハヌキヤ」と呼ばれる9枝のロウソクたてに火を灯し、室内には静かな空気が漂っていました。今までキリスト教のさまざまな宗派のミサに参列しましたが、ヘブライ語で執り行われる儀式も経典も初めての体験でした。ラビが特別にマントラ(加持祈祷に唱える呪文)が書かれている豪勢なガラガラ様の道具や羊皮紙の経典、金のハヌキヤを見せてくださり、そのズシリとした重さに何千年にも渡る民族の数奇な運命と歴史を感じ圧倒されました。
記念にとユダヤ暦カレンダーとダビデの星をかたどったクッキーをいただきました。この時のラビの目は穏やかで、礼拝の最後に威厳に満ちた英語でこう言われました。「ハヌカは本来、神殿を異教徒による冒涜から奪還した喜びを祝う祭りだが、今年は遠い日本から宗教の異なる女性が参列したので、血や歴史は違っても互いの民族を尊重しあうという、より崇高な真理に近づけました。」参列者達は初対面の私に、順番に健康と幸運を願う祝福の抱擁をしてくれました。
派手なクリスマスツリーも陽気なBGMもサンタクロースもない「光の祭り」でしたが、家路につく私の心は幸福感と感謝に満ち、世界平和のために少しでも役に立ちたいという想いを強く強くしたのです。
日本のキリスト教徒は日本の全人口の1%だ、と聞いたことがありますが、私も”フレキシブル”な日本人の御多分にもれず、宗教的意義も考えず無邪気にクリスマスパーティはするわ、玄関にリースを飾るわ、エンジェルグッズはすきだわ・・・みなさんはどうですか?
各国の面白そうなクリスマス情報をご存知の方、コメントともども教えてくださいね!!
Lucyでした。